最後の言葉は“ありがとう”


今の職場で仕事を始めて
5年目になります

長くお付き合いをする患者様もいます
そんな患者様のなかで
とにかく私を信じてくれていた
○ちゃんという方がいました
(年配の女性ですが長い付き合いのなかで下の名前で呼んでしまってました)

何かあると必ず電話をくれる方でした


一度、誤嚥性肺炎になり
もう2度と普通食は食べてはいけないと
内科の医師に言われました

娘さんが私のもとにきて
「ペーストじゃないとダメって
 言われたんです。どうしよう。
 そんなの無理です
 ペーストなんてご飯じゃない」と
泣く娘さんに

「ペースト食べては5年生きるのと
   大好きなひつまぶしを食べて1年生きる
   どっち選ぶ?」

と、とんでもない提案をした私です
娘さんはひつまぶし食べて1年を選択
本人もひつまぶしを選択し、退院しました

(イメージです。○ちゃんは飲みません)

結果、きちんと食べられ
体力も回復し
2度と誤嚥性肺炎にはなりませんでした
やはりきちんと咀嚼して食べないと
人間ダメなんです


そんな安定した毎日でしたが
昨年の冬に本人から電話
「あのね、めまいがするの
    どこにいけばいい?」

なんで、私に?と思ったのですが
「いとうさんは何でも知ってる。
   私のことも。何でも知ってるから教えて」

こういう言葉、弱いんです
神経内科か耳鼻科ねとお伝えしました


何度か私の外来に通い
元気に過ごしてました
「いとうさん、またね、有難う」と
いい、シルバーカーを押して帰る日々


3月に本人から電話がありました
「私これから、めまいがひどいから
  入院するの。予約キャンセルしてね」
といわれました
とりあえず、1ヶ月後の予約へ変更し
「何かあったら必ず電話をしてよね。
  待ってるからね」
と私がいうと

「本当にいつも有難う。うん。またね」

と電話を切られました


そして、受診日の前日

受診日は私はお休みだったため、
「連絡ないけど、
    気になるから電話しちゃえ」
と、普段は絶対にしない電話を
こちらからしました。
なんとなく娘さんの携帯電話へ

娘さんがでられました
「いとうさん。お久しぶりです。
   母はやっぱり、
   いとうさんに電話していたんですね。
   びっくりしないでね。 
   母は亡くなったんです」

ん?ん?いつ?
電話は○日にきたよとお伝えすると
「その次の日に突然亡くなりました」


たくさんお世話になったから
連絡しないとと思ったけど
電話ではと思い、四十九日が終わったらと
それが昨日ぐらいにね、終わったの
ほんと突然だったけど、
母はいろんなひとに
連絡しまくって入院して
夜ご飯もちゃんと食べて、
朝方亡くなったの
ほんと突然に


私、看護師してますが
慣れません  ほんと、フリーズ
そして頭の中で
「いとうさん、いつも有難う」
という言葉が

普段しない電話を私がかけてる
四十九日だった
(厳密にいうと法要は済んだだけ)

仏様になる頃に私のところにきたのかな?
私に電話するようにパワー送ったの?

など思いがたくさん沸き上がりました



亡くなる少し前にちゃんと
ひつまぶし食べたそうです


娘さんに私は
「めっちゃカッコイイよね、
   寝たきりになりたくない、 
  オムツなんてイヤ!といい
  ペーストじゃなく
  普通の美味しいご飯食べ、
  さーといってしまったんだからさ!
  本人の望んだ通りじゃん!」
と泣きながら話をしました
(プロの看護師ではないなぁ)

娘さんも「ほんとズルいよね」っと


○ちゃん、かっこよすぎ

○ちゃん、いつも有難うっていってくれて
本当に有難う。


看護師ですが
死には慣れません

けど、いつも私はこういうことから
何か得るのです
やはり、冥王星と月にアスペクトが
あるからためなのか
6ハウスの金星木星魚座
コンジャンクションとせいなのか


悲しいけど
○ちゃんという
自分の人生をカッコよく
全うしたひとりの女性は
私が生きてる限り
私の中に生き続けるのだろうなと思います
私が生きてる限り
○ちゃんはシルバーカーをさーと押して
ひつまぶしを食べに出かけるのです

「私、食べることが趣味なの」

って言ってましたね


これが私のお役目なのかもしれません


最後まで読んでいただき
有難うございます

 



○ちゃんへ
○ちゃん、私、困ってる人がいたら
助けるね
○ちゃん、貴女を忘れることは
絶対にないから


かおり

星読み屋 占星術 【名古屋 星読み】

名古屋近郊にて 星を読むことをやってます 西洋伝統占星術 星読み屋 伊とうかおりです ✳︎千年ノートマイスター✳︎

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